■著者紹介
村上俊一(むらかみ しゅんいち)
1965年埼玉生まれ茨城育ち。明治大学卒業。カメラマン、パソコン雑誌編集者を経てフリーのライターになる。
デジタル写真やPC自作、インターネット活用、無線LAN、
PC音楽制作、iPodなどデジタルガジェット系といった広い分野で、これまでに多数の著作がある。
直近の著作は、「無料でできるフォトレタッチ GIMP」(技術評論社刊)、「SONAR BEGI NNERS
GUIDE」(メディア・テック出版刊)。 音楽関連はもっぱら趣味。
著者への連絡は、出版社へご連絡ください。
■「あとがき」より
KORG
DS-10との出会い。じつのところを明かすと、リリース発表時は面白そうだなと興味こそ持ったものの、クオリティにはそれほど期待してはいなかったのです。「所詮D
Sのソフトだろう」と。
とは言いつつも頭の中はすでに占領されてしまっていて、ついつい担当編集に話題を振ってしまいました。「こんなのゲームマシンで出ちゃったらヤバイですよ」「何ですかこれは?」「イヤ。DSでマジなシンセなんですよ。シンセ知らん人が使っても、きっとワケわからんですヨ」「でも面白いですね。これは解説書があるといいかもしれないッスね」
「いやでも、シンセ知らない人は買わんだろうし、本出しても売れないだろうし( 失礼)、企画通るワケないんじゃ……」
予想に反して企画は通ってしまい、実際に本を作ることになって、とうとうDS
-10の実機に触れる日が……。そのときの気持ちはいまでも忘れられません、いやホントーに驚きました。KO R Gさん、AQ
Iさんスミマセン。侮っておりました。老舗電子楽器メーカーの看板はダテではありません。想像以上にリアルでプリミティブな本格シンセ、それが「KORG
DS -10」でした。
タッチパネルで(恐らくコレがキモ)ツマミやらパッチやらをいじっていると、高校生の夏に帰国子女のT寺君宅に泊まり込みでMS-10をいじくり回していたときの感触が、もう一瞬でブワ~っと沸き上がってきてしまい、感涙しきり。それと同時に「こいつは、はじめて触れるアナログシンセとして、音作りの楽しさを理解するのにベストな教材ではないか」という思いも沸き上がってきたのでありました。
そんなこんなで、DS -10をはじめていじった人がシンセコンプレックスで落ち込んじゃうようではイカン!
と、珍しくも使命感などにも燃え、幾多の徹夜作業を乗り越え、なんとか日の目を見ることができました次第です。少しは、お役に立てましたでしょうか。いや、楽しんでいただけましたでしょうか?
シンセの音作りの楽しさに目覚めていただけたならば、コレ幸いです。末永くDS -10の脇に置いてやってくださいませ。
ではまた、音楽好きな方とどこかの誌面でお会いできることを夢見て。